病院までの長い道のり ふたたび。
ようこそ、いらっしゃいませ。
今回は、お義母様の診察日で病院に行った・・・というか
行くまでの長い道程のお話を。
多分読んでいてイライラすると思いますが
よろしければ、おつきあいを・・・。
お義母様の足の骨折関係で
現在2カ月に一度、病院で診察をしてもらっています。
血液検査やレントゲンで
異常がないか、細菌感染していないかとかを
調べてもらってるのですね。
さて、診察日である今回。
予約時間は午前10時。
「お義母様には、病院に行くことは出掛ける20分くらい前に
言ったほうがいいだろう」
私は、心の中でひそかに画策しております。
当日、数時間前から言ってしまうと
お義母様はあれやこれや気にして
面倒なことになってしまうのでね。
朝の小ぜわしい時間に、何度も同じことを聞かれたり
不安を全面に押し出された態度をとられたりしては
かなわない。
さてそして、準備万端整った20分前。
「お義母さん。今日はね、病院に行くで。
足の具合を診てもらいに行くからね」
「え!?今日、行くんかな?
わっちゃ、そんなこと、ちっとも知らんで・・・」
ちょっと動揺していますね。
いや、これは毎度のことですよ。想定内です。
もう、退院後の診察は5~6回目になりますからね。
私も慣れたものですよ。ふふふ・・・
そしてやはり、不安から色々とものを尋ねてくるお義母様。
「替えた替えた。大丈夫。だけど、今日は足の方の診察だから
服は脱がなくてもいいんだよ」
「そうかな・・・・・・服もこんなでいいんかな?」
「大丈夫、大丈夫。今日は少し寒いから長袖でちょうどいいよ」
「そうかな・・・・・・ありゃ、わっちゃ、
ズボン下(※)履いちょらんじゃねぇかな?」
※ズボンの下に履く下着ね。モモヒキみたいなやつ。
「えっ、うん。履いてないけど、ほら、暑くなったでもう
だいぶ前から履いてないよ。今日も履くほどには寒くないでしょ?
大丈夫だよ」
数分後・・・
「ふるまんちゃん。わっちゃトイレに行きてぇ」
「あっ、そうだね。もうそろそろ行く時間だもんで
トイレ済まそうかね」
トイレをすませ、手を洗った後、歯を磨こうとするお義母様。
えっ・・・?さっき磨いたんだけど・・・
と、思うも まだ時間に余裕はあるし まぁいいか、と
余計なことは言わず
歯ブラシに磨き粉をつけてお義母様に渡します。
さて、歯磨き後
「それじゃ、お義母さん。行こうかね。車に乗るよ。」
まず玄関で、車いすに乗ったお義母様に靴を履かせます。
しかし、ここから・・・
お義母様が想定外の発言を連発し
私が焦り出すことに・・・
「ふるまんちゃん・・・わっちゃ、この履き物しかねぇんかな?」
「え・えっ!?」
お義母様は毎度、マジックテープ付きのスリッパのような
履き物を履いてディに行くのね。
もちろん、いつも病院に行くときも履いていたのだけど
今回は何故か
「わっちの(よそいきの)靴は ねぇかな?
これは部屋履きのようじゃで」
「で、でも、歩くわけじゃないから、これでいいんじゃない?」
「下駄箱にわっちの靴が入っちょらんかな?」
う・ううぅ~~~・・・
言いあっても時間の無駄だわ。
私は、下駄箱を開けて
お義母様がまだ歩ける頃に履いていた靴を探し出しましたよ。
「これかな?これ履いていくんかな」
「あぁそれじゃ。それにするわ」
なんかキツめの靴を、お義母様の足にギュウギュウと履かせます。
はぁ・・・それじゃ、行こうか・・・とすると
「・・・ふるまんちゃん。
わっちゃ、こんな靴下を履いておったかな?」
と聞かれます。
お義母様のその時履いていた靴下は
ピンク色の地にチェック柄。
「これは、ちょっと派手じゃな。
部屋に、黒とか灰色の靴下がなかったかな?」
おっ・・・!お義母様!これ、いっつも履いている靴下じゃん!
派手だなんて、いままで言ったことなかったじゃん!
なんで今日に限ってそんなこと言いだすかな!!
「お義母さん、まぁ別に派手ってこともないよ。
このまま行ったらいかんかな?」
私、あくまで声を荒げず落ち着こうと自分に言い聞かせますよ。
「でも、やっぱり派手じゃで気にあわん。
地味なほうがいいな」
ああっ!もう!!
私、ダダッとお義母様の部屋に入り、引き出しから
薄地ながらも地味なグレーの靴下を引っ張り出してきましたよ。
「(はぁはぁ)お義母さん、これでいいかな」
「あぁ、そう。それでいいな」
許可がおりると、私はお義母様に履かせた
キッチキチの靴をまた脱がせ
靴下を履き替えさせると、
またそのキッチキチの靴を履かせ直して・・・
「それじゃ、これでいいよね。じゃあ車に乗るでね」
やっと、お義母様を車に乗せ
内側から玄関の鍵を閉め
(内側からしか鍵がかけられないのでね)
裏口から出て、そこも鍵も閉め
運転席に乗りこみ、さぁ出発!
・・・としたところで・・・
「ふるまんちゃん。わっちゃ・・・
ズボン下を履いてねぇ!」
じゃかぁしい!!
も・喉まで出かかった言葉を飲み込み
極力落ち着いて、さきほど言った言葉をもう一度繰り返します。
「も・・・もう暑くなったで、ちょっと前から
履いてないよ。そのままでいいんじゃない?」
「なんやしらスースーするで、わっちゃちょっと戻って
履いてくるわ」
自分ひとりでは歩けないことも頭になく、
そんなことを言い出しますよ。
「えっ!?ちょちょ・お義母さん。いまから履いてたら遅くなるよ。
予約の時間があるんだし・・・」
「そんなもん、ちょっと遅くなったとてかまわんじゃねぇ?」
・・・こっ・・・このババ・・・くぅうっ・・・!!
私、胸からムラムラ湧きあがるものをこらえながら
頭の中で冷静に考えようとしますよ。
ここで、お義母様の言うことをシカトして
車を発進させ、病院へ向かうこともできます。
しかし、そうなると・・・
お義母様は車の中でずっと
ズボン下を履いてねぇ
ズボン下を履きに戻りてぇ
と、数分おきに言い続けることでしょう。
そして、それは病院の待合室でも・・・
スースーと肌寒さを感じるお義母様は
何度もトイレに行きたいと訴えるかもしれない・・・
そうなるくらいなら、ここは・・・くっ・・・
私は決断すると、ダッと車から降り
裏口のカギを開け、お義母様の部屋に入ると
タンスからズボン下を引っ張り出し
玄関のカギを開け
お義母様を車から車いすに移動させ
玄関から、部屋に移動させ・・・
「何をするんじゃな?」
「ズボン下を履くんでしょう!」
多少荒っぽいものの言い方になろうというものですが
それでも堪えて堪えて
手つきが荒くならぬように気をつけながら
お義母様のズボンを脱がせ、ズボン下を履かせると
またズボンを履かせ直し
車いすから車に、また移動させ
玄関の鍵をかけなおし
裏口から出て、そこも鍵をかけ
運転席に座ると、再びエンジンをかけ・・・
エェエ!!
これはイライラコントか!!?
コントなのか!??
・・・そして、ようやく車を発進させ
病院へ向かうことができたのでした・・・が・・・
予約時間は結局20分オーバーしましたよ・・・
お義母様が病院行く前に こんなあれこれ言いだしたことは
退院後では初めてのことでしたわ。
自分の身だしなみに気を使う気力が出たというのは
ある意味、良いことなのかもしれないけど・・・
世話する身では、たまらん・・・

ちなみに、診察日は私は仕事を休みますので
その日の日給はもらえず
そして、その月 休まなければもらえる
皆勤手当もチャラになります。
普段は
いたしかたないことと思っちゃいますが
こういうイライラ・難儀なことがあるとマジで
嫁にもどっかから介護手当が出ても
いいのと違うか!?
と、思うんですよね・・・。
お読みくださり、ありがとう。それでは、また。
読んでいてイライラしたアナタも
年寄りはそういうもんだよね~と、寛大なアナタも
よろしければひと押しを。
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同じようなカンジを記事にした最初はこちら
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「病院までの長い道のり。」(2009.12)(文章のみ)
・・・6年前になるのね・・・
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