農カフェ

2008年8月23日 (土)

ひと夏の恋人。

「黒頭巾・・・あなたって、なんて素敵なの・・・。
今まで夏にはいろんな出会いがあったけど、
皆あなたほどじゃなかった・・・
こんなに夢中になれたのは、初めて。
あぁ・・・もう、アタシ我慢ができない!
はしたないってわかってるけど、こんな格好恥ずかしいけど、
止まらないのよ。
早く・早くちょうだい!・・・黒頭巾ーーーッ!!」



・・・ふるまんカフェひさびさの「農カフェ」にようこそ。
なんだか、四流えろ小説のような始まりですが、
・・・きっと誰もだまされてはおりますまい。
「黒頭巾」の正体

・・・それは・・・


以前、ある農業雑誌の懸賞で野菜の種プレゼントがあったので、
いろんな種類にかたっぱしからハガキを出したのだが、
その時当たったのが「エダマメ」。
黒豆種なのだが、その名も「快豆黒頭巾」!
誰がつけたか知らないが、このネーミングセンス!好き。
エダマメも大好物なので、
「これはよいものが当たった」と喜んでいたのだ。
しかし、初心者の自分が育てられるのか・・・?
不安がよぎりながらも、種まきを開始したのが春のことだった。

そして、夏・・・。

さやはたくさんついてるものの、いっこうに膨らむ気配がなく
「こりゃダメだったかな・・・このまま枯れちゃうか・・・?」
と半分あきらめかけていたのだが、あらなんと!
それからまたしばらく経って見に行ったら、
ぷくぷくと実の詰まったエダマメになってるじゃありませんか!
喜び勇んで収穫し、すぐに茹でて食べてみたら・・・


「スゲー!うまーーーい!!」

黒い薄皮のはったそのマメは、香ばしくって・甘くって、
店で買ってくるのとでは段違いに美味しいのである!
もう、一度口に入れたらやめられない止まらない・で、
「おいしいよ!食べてみ!食べてみ!」
と家族の者にすすめはするのだが、
ひとりすごい勢いでばくばく食べてしまった。
気がつくと自分の前だけに恥ずかしいくらい、
カラのさやが山盛りになっていたのだった。

そして数日間、採っては茹で、茹でては食べ・・・と、
この夏限定のシアワセな時間を過ごさせていただいたのだった。

ふるまん「農カフェ」はこれから家庭菜園をはじめようとする奥様を
応援しています・・・といいながら、
育成方法・成長過程記録もすべてすっとばし、
私の、黒頭巾との至福な時間を
えろっぽくご紹介するに留まったこの記事。
本気で家庭菜園の仕方を学ぼうとしていらっしゃった方は
さぞやイラッ!とされるかと思いますので、
ちょいと役立つ知識ものっけておきましょう。


「ふふふふ・・・奥さん、もっとじっくり時間をかけて
俺のを可愛がってくれりゃあ、更に固く、黒光りしたヤツを
あんたに喰らわせてやることができるんだぜ・・・。」


「あッ・・・す・すごい・・・!こんなに固くなっちゃうなんて・・・
こんなこと・・・主人は教えてくれなかったわ・・・素敵・・・!素敵よ!!」


そう!そうなんです!!
エダマメって、ほっておくと硬くて丸い・・・ダイズになるんですよッ!!
ご存じでした?奥様っ!!
(私けっこう最近まで知らなかったんですよ・・・
ダンナも全然畑関係ノータッチだし)
ウチのもほっておいたらちゃんと黒々とした豆になってました!
これ、来年も植えたらまたおいしいエダマメができるのかなぁ~・・・。


「・・・また来年も私を満足させて・・・お願いよ・・・黒頭巾ーーーッ!!」

・・・もういい加減おあとがよろしいようで。


さて、今回のエダマメ収穫の成功は、
初心者の私一人ではとても成し遂げられるものではなかった。
ウチのお隣のご夫婦に畝の作り方から肥料のやり方まで教えていただき、
ちょくちょく様子をみていただいたおかげである。
いつも、いつもお隣のご夫婦にはお世話になりっぱなし。
スミマセン。これからもご指導のほどよろしくお願いします。

2008年4月14日 (月)

彼との再会・・・。(農カフェ・2)

昨年秋に義父が亡くなり、自称体の弱い義母も気力がなく、
ダンナも以前から
「土地の草刈りはやるが、野菜づくりはしない」

頑としてゆるぎない宣言をしていたため、
ウチでは畑をやる者がいなくなってしまった。
しかし、それでも今年も夏野菜づくりの季節はやってくる。
そのためには今から畑を耕しておかねばならぬのだ。
植物を育てるなど全く興味のない、そしてなんの知識もない私が、
なんのかんのでやらざるを得ない状況になってしまった。
”本格的にやりましょう!”という決意もなにもなく、
ただ「やることだけはやっとかんといかんのか・・・」ってなカンジで
重い腰を上げた私。

そして、赤い耕運機の彼、久保田(クボタ)との再会となる。

一応ダンナが運転方法だけは教えてくれるというので、
一緒にビニール倉庫に赴く。
扉をあけると彼は2年前と変わらぬ姿でそこに居た。

「まず、ここのこれを引っ張ってエンジンをかけて・・・。」

とダンナ。
しかし、何故か何度やってもやってもエンジンがかからない!

「かからんな~・・・壊れてるのか・・・?」

色々とあっちこっちかまってみるダンナだが
かかる気配もなく、それを見ていた私の妄想芝居が始まる。



「・・・いくらあっしを動かそうと思っても無駄ですぜ、若旦那。
あっしは先代と長年苦楽を共にしてきた身。
その先代が亡くなった今、あっしの役目も終わったんでさぁ・・・。
単なる戯れで畑をやってみようなんて甘ちゃんな若女将の細うでに
握らせるハンドルはもう持ち合わせちゃあおりませんや。
さぁ、もう行っておくんなせぇ!
あっしはこの倉庫の赤錆と成り果てる覚悟。
数年後、錆の塊となった暁には、若夫婦、
どうかあっしを裏山にでも廃棄しておくんなせぇ。」



「何を言うんだい、久保田!
お前をそんな不法投棄できるわけないじゃないか!(違反だよね)。
かと言って月イチの粗大ゴミの日に、
お前を出していいものかどうか。
・・・なにより久保田、お前のような男を
このまま終わらせちまうのは惜しいんだよ。
色々不満はあるだろうが、
もう一度立ち上がってみちゃあくれないかい?
私に仕えてみちゃあくれないかい?
先代のいた頃のようにまた、この野っ原を
今度は私と二人で立派な畑に変えてみようじゃないか!
えぇ、久保田!」



「・・・・・・若女将・・・本気で・・・?」


・・・ブルン!!ブロロロロロ・・・!!

お!かかった!スゲー!!
一人妄想芝居の勝利である。(なわけないが)

そして、彼を倉庫から出し、そのまま家から少し離れた、
以前は畑だった野っ原までダンナが動かして行く。

「それじゃ、このへんからやってみるか?」

ダンナはまたどっかのレバーをいじると、
土を耕すための回転刃を下ろした。
そして、ここから私の番となる。
私はダンナと交代すると、
2年前のように久保田の後ろにスタンバイした。
しかし、2年前のように
「うまくやれんから止めた!」ってわけにはいかない。
最初から最後まで自分で耕さなければならないのだ。

不安だがやらねばならない・・・。

ブロロロン!!

私は初めて自分で久保田のエンジンをかけると、
彼のハンドルをぎっちりと握りしめたのだった。
(農カフェ・3に続く)




ふるまん”農カフェ”はこれから野菜づくりを始めたいと思っていらっしゃる
奥様を応援しますが役立つことは何も記されておりません。
・・・っていうか、このカテゴリー・・・ホントに続くのか・・・?

2008年4月 4日 (金)

彼との再会・・・。(農カフェ・1)

初めて彼に触れたのは・・・そう確かもう2年前になると思うわ・・・。

硬くてがっちりとしたその手を私は弱々しく握りしめた。

「初めてなのよ私・・・お願い、やさしくしてね・・・。」

これから始まる未知の体験に私の心臓は早鐘を打つ。
そんな私の気持ちなど意に介さず、
彼はただ黙々と自分に与えられた役割を果たそうと
ぐいぐい事を進めていく。
その粗野で強引とも思える態度に私はただただ焦るのみ。

「・・・あっ・・・!?ちょちょちょ・・・そこ違う・・・!
お願い、こっちに・・・ああっ・・・!!」

・・・私のような若輩者に、経験豊富な彼の制御は不可能であった・・・。

彼の名は「久保田(クボタ)」。
年を重ねてもなおがっちりとした体格、力強い動き。
たぶん昭和の頃からこのウチに仕えてきたのだろう。
燃える男気溢れた赤い耕運機
それが彼、久保田である。

これはまだ義父がウチの家の前にある畑の農作業ができた頃、
それでも体力が衰え畑を耕せなくなっていた2年ほど前、
義父に頼まれダンナが耕運機をかけていた時の話だ。
両の手でハンドルを握り、ゆっくり歩を進めていくと
まっすぐ、どんどん土が掘り起こされていく。
それを眺めていた私が、

”・・・ゆくゆくは私も畑をやらねばならないのかも・・・
それならああゆうことも覚えておくといいのかな・・・?”

などとふと思い、
そのときはそれほど深刻でもなく軽い気持ちで
「ちょっとやらせてみてくれ」と頼んだのだった。

そして前述のザマである。

見るのとやるのでは大違いで、
耕運機の力に負けて制御不可能。
方向も定まらず、
振り返るとよたよたのガタガタに掘り返された汚い跡が・・・。

そんなわけで、耕運機の扱いは女にはムリ。
と、さっさと諦めた2年前の私だったのだが


・・・現在・・・


また彼「久保田」と再会することになったのだった・・・。
(農カフェ・2に続く)


更に追加された新たなるカテゴリー「農カフェ」。
続くか続かないのかわからず、かなり見切り発車的なスタート。
これは、これから家庭菜園を始めたいと思っていらっしゃる奥様が
「あら、何か参考に・・・?」とご訪問くださったとしても
全く微塵の役にもたたないカテゴリーであることを
お断りしておかなければならない。

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