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2009年12月 8日 (火)

病院までの長い道のり。

この間、義母のインフルエンザ予防接種がありまして。

それは平日の12時が予約時間であったので、
私は午前中の仕事を早めに切り上げさせてもらい、
「うまくいけば」家に着いたら、
出かける準備をして待っているはずの義母を
すぐ車に乗せ病院に向かうことができるのだが・・・。

実際はそう「うまくいく」ことがないのである・・・という話を。


前日から私は数回義母に言ってはいたのだ。
「明日はインフルエンザの予防接種があるからね」と。
「12時までには行かないといけないから、
用意して待っててね」
と。

言うたび義母は「あぁそうじゃった」「忘れとったわ」と、
なんとも不安な答えを返すのだ。

そして、当日の朝イチもさらに言い、
仕事に出かける前にも更に・更に念を押す。
「お昼にインフルエンザの注射打ちに行くからね!
準備しといてね!」
と。
その頃にはさすがに「忘れた」とは言わず、
「うんうん」とわかった風でうなずいていたのだった。

・・・・・・しかし・・・・・・

これで安心してはいけないのだ。

義母は認知症がまだそれほどでもなかった頃は、
近所に出て行くのはおっくうがるが、
自分の病院行きの日はしっかり準備をして行く人だった。

だが、認知症が進んでくると不思議なことに、
近所のあちこちは押し車を押しながら
雨の日でも出掛けるようになったのに、
病院の診察日とかには、

「やっぱしえれぇでやめちょく」「行きとぉもねぇ」

と、ドタキャンが多くなったのだ。

どうも「車に乗ってお出かけ」というと、

遠くに行く

ちゃんとしたカッコウをしなければならない

めんどうくさい

・・・という図式になるようだ。

なので、
すんなり準備ができてスッと出発できるのはたぶん
・・・4・5回に1回くらいの割合になるだろうか・・・。

そのことを見越し、
この日私はちょっと早めに仕事をあがらせてもらい
家にむかったのだ。

・・・さぁ、はたして義母はキチンと行く準備を
しているであろうか・・・?

家に着き玄関から声をかける

「お義母さん?準備できてるかな!?」

ちゃんと準備していたら
いつも玄関に義母のきんちゃく袋が置いてあるはずだが

・・・・・・ないね・・・・・・。

玄関をあがり、義母の部屋に行くと

・・・・・・義母がベッドに腰掛けてそこにいた。
上半身ババシャツ一枚のままで・・・。

イヤな予感がしながらも声をかける。

「お義母さん、行くよ。準備せんと・・・」

するとお義母さん、気がついたようにこちらへ来ると・・・

「・・・ふるまんちゃん・・・わっちゃやっぱり今日は・・・行けん」

うっ・・・やっぱりそう来たか・・・

「どうして」

「わっちゃ昨日風呂にも入っちょらんし、髪もこんな風じゃし、
いかにも年寄りみたいな風じゃで・・・」


「いいよ別にそんなもん、誰も気にしやせんよ」

いかにも年寄りってか82なんだからまさしく年寄りでしょうよ
・・・とまでは口に出しては言わないが。

「(近くにある)店に新しい下着買いに
行かしと思って行ったんじゃが、
売っちょらなんだし、
こんなむっさらけぇ(汚い)の着ては行けんし・・・」


「別に汚くなんてないよ。
破れてるとこもないしフツーの下着だよ」


ただ病院行くだけで
買ってまでの新しい下着を着てかんでもいいわい!
デート時の勝負パンツじゃあるまいし!!
・・・とまではやはり口に出しては言わないが。

「・・・そんで・・・どこに行くんじゃったかな?」

ま・またそっからスか!?

「いやだから、インフルエンザの予防接種だて」

「ああ・・・うん・・・・・・
やっぱし、ふるまんちゃんわっちゃ、行かん。
まわし(準備)するのもえれぇし、着てくもんもねぇし・・・」


くうっ・・・しぶといな・・・

「いやいや、着るもんなんていつも着てるやつでいいし!
セーターみたいなのと上にはおるやつあるじゃん」


「それに・・・慌てたせいでかなんやしら
心臓がこう・・・きゅーっとするような
なんやらおかしなもんなんじゃて」


出た!義母の最終奥義!”ふるえるぞハート”宣言!!

まったく、行きたくないとなると
あれやこれやといいわけを引っ張り出してくるが、
しまいにはこのように「心臓が変」みたいなことを言い出す。
ウブな若嫁の頃ならマジで心配もしたろうが、
もう20年近く一緒に生活し
ある程度性格もパターンも把握できた今となっちゃ
そんな手はききゃしませんぜ!お義母さん!
慌てたりあせったりすりゃ
ちょいと心臓が早鐘を打つのは誰でもあるこってさぁ!
自慢じゃないが、ビビリの私のほうがお義母さんよりも
平素何倍も早鐘打ってる回数が多いと思いますぜ。
さぁ!ババシャツ一枚で四の五の言うのは止めにして

「とにかく寒いし、時間がないし、はよ服を着てくんせぇ!」

観念したようで、準備をしに部屋にもどる義母。

待つ私。

・・・・・・5分


・・・・・・10分?


・・・・・・お・遅すぎる!

こっちの心臓も、熱きビートをきざみはじめてきて
たまらず義母の部屋をノックし、入る。

「お義母さん!準備いいかな!?」

お義母さん、服は着ているが今度は髪の毛が気になったようで、
鏡に向かってなにやらのんびりとなでつけている。

「お・・・お義母さん?」

「あ、あぁ行く、行く」

ようやく立ち上がり、きんちゃく袋も準備して・・・

「それで・・・どこ行くんじゃったかな?」

ううぅ~~~

「病院だて!予防接種しに!」

ちょっと荒げた声にもなろうというもの。
お義母さん「またそんな大声出さでも・・・」という顔をしながら
「あぁ、わっちは忘れてまうでしゃあないんじゃな」

といつものセリフである。

しょうがないと思ってはいても・・・
こちらもついつい
大声を出してしまうのも勘弁してもらえんだろうか。
けっこうここまで耐えてきてのことですよ・・・。

さて、お義母さんの準備がやっと整い、
先に車に乗ってもらうまでにこぎつけた。

あとは最後の火の元を確認し、
戸締りを確認し、
玄関にカギをかけて

・・・やっと・・・

さぁ!出発ゥ!!

車に向かう私


・・・・・・と・・・?

あれ・・・・・・?


お義母さんが車のドアを開けて、外に出て・・・来た・・・?


「な・・・何?どうしたのお義母さん!」


「あぁ・・・わっちゃ・・・トイレに行かしと思って


ひえぇッ!?ガクゥッ!!


・・・・・・義母のこの波紋入りのようなセリフに、
マジで腰砕けしてしまった私なのだった・・・。



・・・このように・・・

「車に乗って病院に行く」前に、
こんなに長い道のりがあったのです
・・・というお話でした。


さて、この文章に2・3、ジョジョづいたセリフが
あったのにお気づきでしょうか?
ウチには数日前には返しそびれた26巻しかなかったのですが

・・・とうとう一部・二部を・・・

「レンタル」して
読むことができましてな!!


・・・いやぁ~~~
これらもなかなか面白いセリフやら擬音語やら満載で。

ジョジョは現在七部まであるらしいので、
しばらくは週一でレンタル屋さんで、10冊ほど大人借りを・・・
娘にしてもらおうと思っとります

さすがに40代の私に少年漫画の大量レンタルは
・・・うぅっ・・・恥かしすぎますッ!!

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