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2006年2月17日 (金)

ばあちゃんと百人一首

そんなゴタゴタもありの子供時代だったが、
私はばあちゃんが嫌いではなかった。
むしろ、小学校低学年まではばあちゃんは私にとって、
良き遊び相手だったのである。

縄跳びのなわを回す役をやってくれた、
ボール投げの相手もしてくれた、
午後に近くの売店に仕事に行く前に
砂糖醤油ダレのダンゴを作ってってくれたし、
夏みかんの房を丁寧にむいて砂糖漬けにして
冷蔵庫に入れておいてくれた。
休みの日には一緒にドーナツを作ったものである。
思い返すと色んなことがあったが、今考えると
「ばあちゃんスゴイ」と思う事は「百人一首カルタ」である。
正月に普通のカルタでは物足りなくなった私らの為に
父が買ってきてくれたものであったが、
「これは何なのか」とさっぱりわからなかった。
それを教えてくれたのがばあちゃんで、
読み手は上の句と下の句を読む。
取るほうは下の句だけを書かれたフダを取るのだと。
上達すれば読み手が上の句のさわりを読んだだけで、
下の句フダをさっと取れるようになるらしい。
「そんなことが可能なのか?」
子供の頃の私らはわけわからなかったが、
取り合えずやってみることにした。
フダをタタミに並べ終えると、読み手のばあちゃんは
実に流麗に、抑揚を込め一首一首を詠み上げたのである。
ほとんどの句をそらで覚えていたようである。
私らははじめ一枚とるのにも数分かかっていたが、
それでも次第に夢中になり
一日何回も百人一首を並べるようになった。
読み手はもちろんばあちゃんである。
そして、句の意味はわかってなかったが、
何枚か自分のお気に入りの句は
上の句のさわりだけで取れるようになったのだった。
あの頃は「お年寄りはだれでも百人一首を知っているのだ」と思っていた。
しかし、どうもそうではないらしいとしばらくたって気が付いた。
「ウチのばあちゃん、女学校時代はかなり勉強できたらしい・・・。
変わり者だったけど。」
と後に母から聞いた。

現在はあのきびきびした面影はなくなり、
おだやかそうに寝たり起きたり。
自分の息子もわからなくなってしまったが、
百人一首はひょっとしてまだそらで詠めるだろうか。
里帰りし、ばあちゃんの顔を見るたびそれを聞いてみたくなる。
私の頭の中では、あの流麗に詠む声色が
いまでも耳に残っているのだが・・・。

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